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被告プロミス第1準備書面


平成21年11月11日付け被告第1準備書面(ファクスで送付されてきたのは,11月6日です。)

現在,プロミス相手に過払金返還請求訴訟を行っています。

プロミスも遂に弁護士を選任して,悪意の受益者の部分を争ってきました。

プロミスの準備書面を公開します。

別ページで,プロミスの準備書面に対する反論の準備書面を公開します。

第1
1 請求の原因に対する認否
請求の原因第1は、「高金利」は否認し、また原告らが相続したことは不知であるが、その他は認める。
2 請求の原因第2について
(1)について、過払金が発生することは認めるが、過払金の額は否認する。過払金の額は5,885,867円である(乙第2号証)
1(2)は否認する。詳細は後述する。
1(3)は不知。
1(4)は認める。
1(5)は争う。
2(1)は認める。
2(2)ないし(5)は不知。
3は争う。
2 悪意の否定
1 理論的理由
  民法704条の「悪意」とは、法律上の原因のないことを(現実に)知りながら利得をした者であり(最判昭和37年6月ユ9日)、過失ある善意者は含まれないとするのが通説である(新版注釈民法(18)640頁参照)。
  とすると、貸金業者が過払金につき「悪意」というためには、過払状態になっているかもしれないという認識では足りず、みなし弁済が成立する余地が一切なく、過払金が確実に発生しているという認識が必要である。
貸金業法に乗っ取った営業を行い、金融監督庁等の通達に従って、貸金業法の17条書面、18条書面を交付している被告プロミスのような金融業者が、取引継続中に鐘いて、自らの取引についてみなし弁済成立の余地は一切切なく、過払金が確実に莞生していると認識することは、考えられない。
利息制限法引き直し計算は、利用者が任意整理や破産象どの申し立てを行い、継続的取引闇係(リボルピング契約〉が終了に向かったような場合に初めて行うのが実護である。被告が業霧遂行の際当然に上記の引き直し計算をしていたことを椎認するべき事実はない。貸付・弁済の状況を把握してし、ることば、上記引き直し計算をしたことと同じではないのである。貸金業法及び各種通達に沿って営業を行っている被告が、数百万件に及ぶ膨大なリポルピング契約のすべてについてその契約の継続中に利息制限法に引き直した計算を行うことは膨大な費用と労力を必要するものであって、貸金業法に照らしその必要もなく、その義務もない。
  したがって、17条書面及び18条書面の交付を常に行っている被告は、利用者から過払い金の返還訴訟を提起され、みなし弁済の主張が認められず、敗訴の判決が確定して初めて不当利得金について悪意になるのである。
2 実質的理由
  原告の主張によると、登録業者として貸金業法に袷った営業をしている貸金業者はすべて悪意の受益者となり、現在の貸金はすべて違法性のあるものとなってしまう。これでは登録業者といわゆるヤミ金融との区別が付かず、世間の常識に薯し<反する結果となる。
  思うに、契約の当初から不当利得金について悪意の受益者か否かについては、貸金業法や出資法に従わないヤミ金融については悪意の受益者といえる。しかし、貸金業法や金融庁ガイドラインに拾った営業を行っている登録業者は、契約の当初から悪意であるとはいえない。原則としてみなし弁済が成立すると信じて営業を行っており、事実多くの債務者が契約当初の利息を承諾して取引を開始し、約定に従って弁済を行っているのである。
最近の最高裁判例によって、みなし弁済の成立する余地は少なくなったといえるが、だからといって過去にさかのぼって、すべての取引につきはじめから貸金業者は、自身の取引がみなし弁済の成立する余地がなく、不当利得について悪意の受益者であると主張することは、貸金業法自体がそもそも違法であったと主張することと同じであり、暴論と言わざるを得ない。
  したがって、登録業者として貸金業法に沿った営業をしている被告プロミスは、不当利得について悪意の受益者ではなく、過払金返還請求訴訟において敗訴した時点で初めて悪意の受益者となる。
3 悪意の立証責任
  貸金業登録業者として貸金業法に従った営業を行っていた被告が、無効な利息の支払いを受けていることを認識しているのが遍常ということはあり得ない。これでは貸金業法という法律が存在しているにもかかわらず、不当利得の悪意について、貸金業法が存在しない場合と全く同じ扱いをするものであり、このことは不当利得の悪意について、貸金業登録業者もヤミ金も全く同じ扱いをすると述べているのと同様であって、社会通念からはかけ離れたものと言わざる差えない。
  したがって、原告主張の悪意の推認は飛躍があり、原則通り受益者の悪意は、不当利得返還を請求する側において主張・立証責任がある。
4 被告プ画ミスの従前の対応
  被告プロミスは、貸金業や出資法の改正、重要な裁判例などに対応して、貸金業法17条、18条書面鶏の改定作業を怠りなく行っており、みなし弁済が成立するような営業方法の維持に努力してきたに第1号証参照)。
当然、取引ごとに必要な上記17条、18条書面等を交付している。
  よって、被告プロミスはみなし弁済が成立すると信じるに足りる特段の事情があり、悪意の受益者ではない。
5 平成19年6月及び平成19年7月最高裁判決との関係
本件において、過払金の法的性質は不当利得返還請求権となり、平成19年7月13日判決によって、特段の事情なき限り「悪意の受益者」となるとも思われる。しかし、最高裁判所平成19年6月7日判決のいう「充当の合意」ということを前提とすると、仮に過払金が発生したとしても、最終的に貸付金と充当するという合意がある以上、過払金の未払い状態は当該合意に基づくものであるといえる。とすると、この未払い状態が悪意となるはずがないと考えられ、仮に不当利得発生時に悪意であったとしても、当該合意によりその悪意が消滅する。
6 平成21年7月10日最高裁判決
  平成21年7月10日判決は以下のように判示して、消費者金融業者が悪意の受益者に該当するか否かにつき、業者側敗訴の控訴審判決を覆して原審に差し戻した。
「平成18年判決が言い渡されるまでは、貸金業者において、期限の利益喪失特約下の支払であることから直ちに同項の適用が否定されるものではないとの認識を有していたとしてもやむを得ないというべきであり、貸金業者が上記認識を有していたことについては、平成19年判決の判示する特段の事情があると認めるのが相当である。したがって、平成18年判決の言渡し日以前の期限の利益喪失特約下の支払については、これを受領したことのみを理由として当該貸金業者を悪意の受益者であると推定することはできない」
7 以上より、悪意の受益者であることは否定され、原告被告問の取引について利息制限法所定利息により引き直し計算すると、過払金の額は,5,885,867円である(乙第2号証)。
8 なお、追って「特段の事情」について主張立証する予定である。
                             以上

なお,これらの原稿は,プロミスの準備書面を大阪の弁護士が平打ちしたものなので,誤字脱字はご容赦下さい。








   

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