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被告プロミス判決,判例分析3(争点整理)



(判例分析3)

2 争点
本件の争点は,被告が悪意の受益者であるかどうかである。

(原告らの主張)
 貸金業者が利息制限法の制限を超える利息(制限超過利息)の受領につき貸金業法43条1項の適用が認められないときは,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かっ,そのような認識を有するに至ったことがやむを得ないといえる特段の事情がある場合でない限り,民法704条の悪意の受益者であると推定されるべきであるところ,本件取引において,貸金業者である被告が,制限超過利息を受領していたことは明らかであり,被告は,貸金業法17条,18条の書面を取引ごとに交付しておらず,同法43条1項を充足する取引を行っていないのであるから,上記特段の事情は認められず,被告は悪意の受益者である。
 本件取引は,貸金業法(昭和58年法律第32号。昭和58年11月1日施行)の施行前からの取引であるところ,同法施行前における利息制限法上の利率を超える部分の利息が無効であるとの認識は,同法施行後よりも強く存在したといえるから,被告の悪意性はより強く推定されるというべきである。

(被告の主張)
被告は,貸金業法や出資法の改正,重要な裁判例等に対応して,貸金業法17条,18条の書面等の改定作業を怠りなく行っており,本件取引においても,取引ごとに貸金業法!7条,18条の定める要件を満たした書面を交付しているのであるから,貸金業法43条1項の適用があるとの認識を有しており,かつ,その認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるから,悪意の受益者には当たらない。
 本件取引は,貸金業法施行前からの取引であるが,同法施行前は,貸金業者の自主規制の助長に関する法律及び同法4条に規定する金利を定める政令により,貸金業者が利息制限法所定の制限利率を超える利率で契約を締結することが法律上明示的に容認されており,被告は,上記法律及び政令に従った営業を行っていたのであるから,悪意の受益者ではない。

(解説)
ここは,裁判所が争点を整理したところです。

裁判所の指揮により,
貸金業法の前後に区切って争点を整理しています。

第1段落は,貸金業法施行後

第2段落は,貸金業法施行(昭和58年11月1日)前

と,「悪意の受益者」の争点ですが,貸金業法施行前後で論点が異なるとしています。

過払金返還請求や任意整理の解説書にも載っていない論点です。

今後,昭和58年11月1日以前に金銭消費貸借がある場合には,論点となる可能性が高いのでご注意下さい。,










   

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