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被告プロミス判決



プロミス相手に過払金返還請求訴訟の判決が言い渡されましたので、公開します。

プロミスも遂に弁護士を選任して,悪意の受益者の部分を争ってきましたが、原告らの全面勝訴でした。。

別ページで,この判決の解説を行います。
なお,これらの原稿は,判決を大阪の弁護士が平打ちしたものなので,誤字脱字はご容赦下さい。

平成22年3月17日判決同日原本交付裁判所書記官
平成21年(ワ)第12394号不当利得金返還請求事件
ロ頭弁論終結日平成22年2月3目
判決
原告 X1
原告 X2
原'告 X3
原告 X4
原告ら訴訟代理人弁護士佐野隆久
東京都千代田区大手町!丁目2番4号
被告プロミス株式会社
同代表者代表取締役○○○
同訴訟代理人弁護士○○○○
主文
1 被告は,原告X1に対し,601万1533円及び内510万9607円に対する平成21年8月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告X2に対し,200万3844円及び内170万3202円に対する平成21年8月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告は,原告X3に対し,200万3844円及び内170万3202円に対する平成21年8月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 被告は,原告X4に対し,200万3844円及び内170万3202円に対する平成21年8月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
5 訴訟費用は被告の負担とする。
6 この判決は,仮に執行することができる。

事実及び理由

第1 請求
主文同冒

第2 事案の概要
本件は,貸金業者である被告との間で継続的に消費貸借取引をしていたXの相続人である原告らが,Xの被告に対する弁済を利息制限法に従って充当すると過払金が生じているとして,被告に対し,不当利得に基づいて,過払金及び民法704条所定の利息の支払を求める事案である。
1 前提事実(争いのない事実及び末尾記載の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1)被告は,無担保による貸付けを主要な業務内容とする貸金業者である。
(2) Xは,昭和54年10月11日以降,被告との間で別紙計算書記載のとおり,継続的に金銭の借入れと弁済を行ってきた(以下「本件取引Jという。)(甲2の1及び2)。
(3) Xは,平成21年4月!3日に死亡し,妻である原告X1が2分の1,長女である原告X2,二女である原告X3,三女である原告X4がそれぞれ6分の1の割合で相続した(甲1の1ないし8)。
2 争点
本件の争点は,被告が悪意の受益者であるかどうかである。
(原告らの主張)
貸金業者が利息制限法の制限を超える利息(制限超過利息)の受領につき貸金業法43条1項の適用が認められないときは,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かっ,そのような認識を有するに至ったことがやむを得ないといえる特段の事情がある場合でない限り,民法704条の悪意の受益者であると推定されるべきであるところ,本件取引において,貸金業者である被告が,制限超過利息を受領していたことは明らかであり,被告は,貸金業法17条,18条の書面を取引ごとに交付しておらず,同法43条1項を充足する取引を行っていないのであるから,上記特段の事情は認められず,被告は悪意の受益者である。
本件取引は,貸金業法(昭和58年法律第32号。昭和58年11月1日施行)の施行前からの取引であるところ,同法施行前における利息制限法上の利率を超える部分の利息が無効であるとの認識は,同法施行後よりも強く存在したといえるから,被告の悪意性はより強く推定されるというべきである。
(被告の主張)
被告は,貸金業法や出資法の改正,重要な裁判例等に対応して,貸金業法17条,18条の書面等の改定作業を怠りなく行っており,本件取引においても,取引ごとに貸金業法!7条,18条の定める要件を満たした書面を交付しているのであるから,貸金業法43条1項の適用があるとの認識を有しており,かつ,その認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるから,悪意の受益者には当たらない。
本件取引は,貸金業法施行前からの取引であるが,同法施行前は,貸金業者の自主規制の助長に関する法律及び同法4条に規定する金利を定める政令により,貸金業者が利息制限法所定の制限利率を超える利率で契約を締結することが法律上明示的に容認されており,被告は,上記法律及び政令に従った営業を行っていたのであるから,悪意の受益者ではない。
第3 争点に対する判断
1 本件取引は,貸金業法(昭和58年11月1日施行)の施行前の昭和54年10月11日から開始しており,貸金業法施行前に行われた貸付けに係る弁済については,同法43条1項の適用の余地がないことは明らかである。そして,債務者が利息制限法所定の利息をこえる金銭消費貸借上の利息・損害金を任意に支払ったとぎは,その制限をこえる部分は,民法491条により,残存元本に充当されるものと解され(最高裁昭和39年11月18日判決・民集18巻9号1868頁),利息制限法所定の制限をこえる金銭消費貸借上の利息・損害金を任意に支払った債務者は,制限超過部分の充当により計算上元本が完済となったときは,その後に債務の存在しないことを知らないで支払った金額の返還を請求することができると解される(最高裁昭和43年11月13日判決・民集22巻12号2526頁)。被告は,本件取引において,利息制限法所定の利息をこえる利息を受領していることを認識していたといえるから,貸金業法施行前に行われた貸付けに係る弁済について,制限超過利息を元本に充当した結果過払金が生じた場合には,悪意の受益者に該当するというべきである。
 被告は,貸金業者の自主規制の助長に関する法律及び同法4条に規定する利を定める政令により,貸金業者が利息制限法所定の制限利率を超える利率で契約を締結することが法律上明示的に容認されており,被告は,上記法律及び政令に従った営業を行っていたのであるから,悪意の受益者ではないと主張するが,上記認定に照らし,その主張は採用できない。
2 本件取引のうち貸金業法施行後に行われた貸付けについては,同法の適用があると解されるところ,貸金業者が制限超過利息の受領につき同法43条1項の適用が認められないときは,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことがやむを得ないといえる特段の事情がある場合でない限り,民法704条の悪意の受益者であると推定される(最高裁平成19年7月13日判決・民集61巻5号1980頁)。
 被告は,取引ごとに貸金業法17条,18条に定める要件を満たした書面を交付しており,上記特段の事情があると主張して,証拠(乙3の1ないし5,乙4の1ないし173)を提出する。しかし,被告が貸金業法17条の書面として提出した平成2年4月26日の奉本契約書(乙3の4)には,借入極度額のみが記載され,貸付金額が記載されておらず,また,返済期間,返済金額の記載もない。被告は,個別の貸付けの際に交付する利用明細書に貸付金額が記載されていると主張するが,同日の取引は,店頭で行われていることが認められるところ(甲2の2),その利用明細書は証拠として提出されておらず,店頭における個別の貸付けの際に書類が交付されたかどうかも明らかとはいえないから,その主張は採用できない。仮に,貸付金額の記載された利用明細書が交付されていたとしても,そこに記載する金額は,前記1の認定によれば,従前の取引において利息制限法所定の利息をこえる利息を元本に充当することを前提とした残高と新たな貸付額を併せた金額とすべきであり,その金額が記載されていない利用明細書が交付されたとしても,貸金業法17条の書面の要件を満たさないというべきである。このことは,同日以降の個別の貸付・けについての利用明細書(乙4の1ないし173のうち,「取引内容」に「シュッキン」,
「出金」,「融資」,「ご融資」と記載されているもの)についても同じことがいえるのであり,貸金業法17条の書面の要件を満たしたものとは認められない。
4 また,被告は,貸金業法18条の書面として利用明細書(乙4の1ないし173のうち,「取引内容」に「ニュウキン」,「入金」,「返済」,「ご返済」と記載されているもの)を提出するが,これらの利用明細書は,ATMによる取引についてのものであるところ,本件取引においては,店頭及び振込みによる返済もされていることが認められる(甲2の1及び2)。店頭及び振込みの際の利用明細書が証拠として提出されておらず,どのような書面が交付されたか明らかとはいえないから(特に,振込みによる返済については,被告自身,弁済をした者の請求があった場合に眼り明細書を交付する取扱いをしていたと主張
している。),取引ごとに貸金業法18条の要件を満たした書面が交付されたと認めるに足りない。
 したがって,貸金業法施行後に行われた貸付けに係る弁済についても,被告が同法43条1項の適用があるとの認識を有しており,かつ〕そのような認識を有するに至ったことがやむを得ないといえる特段の事情があるとは認められず,被告は,悪意の受益者に該当するというべぎである。
4 以上を前提に,Xの弁済を利息制隈法に従って充当計算した結果は,別紙計算書のとおりであると認められ,平成21年8月18目時点で,過払金1021万9214円及び利息180万3853円が発生している。
5 よって,原告らの請求は全部理由があるから,主文のとおり判決する。
大阪地方裁判所第11民事部
裁判宮○○○○









   

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