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アイフル答弁書に対する準備書面(案)


トップページ > アイフルの過払い金請求の対応
平成21年6月頃から、消費者金融アイフルの過払金請求に対する対応が変わりました。
過払金返還請求訴訟においても、全面戦争の様相です。
消費者金融アイフルは、分厚い答弁書を出してきます。殆どの内容が既に過去の判例で解決済みの内容です。
過払い請求をする側は、これに対して反論をする必要があります。
この反論は、多岐にわたり、かつ、会計学の基本も分かっている必要があり、反論するのには、骨が折れます。
そこで、大阪の弁護士は、ここに、反論としての準備書面の案を公開します。

次の準備書面(案)は、被告アイフルが原告の第1準備書面に対して、被告第2準備書面として提出してきたものに対して、更に反論として、原告第2準備書面として提出予定のものです。
因みに、被告第1準備書面は、内容として、原告の第1準備書面を論破できていません。

完全なものではないかもしれませんが、叩き台として使っていただいて結構です。
添削は、大歓迎です。
どのような機会でも結構ですので、添削すべき点をご指摘ください。

消費者金融アイフルに対する過払い被害者の協力で、過払い請求訴訟を勝利しましょう。

(案)

平成21年(ハ)第○○○○○号 不当利得返還請求事件
原 告  ○○○○
被 告  アイフル株式会社・株式会社武富士

原告第2準備書面

平成21年10月  日

神戸簡易裁判所民事1係 御中

原告訴訟代理人弁護士 佐 野 隆 久  

 原告は,平成21年10月2日付け被告第1準備書面に対して,次のとおり,認否及び反論する。
 なお,本書面において,被告アイフル株式会社を単に「被告」という。

第1 「第1.被告会社は悪意の受益者ではないことについて」
1 「1.被告会社は過去より17条1項及び18条1項書面の交付する態度を十分に有していること」について
A 柱書きについて
ア 被告の主張
被告会社は,昭和58年11月1日より施行された貸金業法第17条1項及び第18条1項に規定する書面を交付する十分な体制を常に整備し,同意方の施行から現在に至るまで,各消費者に対し,各取引毎に,かかる書面の交付を行っている。
イ 原告の認否
全て否認する。

B 「@被告会社は17条1項及び18条1項の不備で行政処分は請けていない」について
ア 被告の主張
被告会社は,昭和58年11月1日より施行された貸金業法において,同法17条1項及18条1項の書面交付の不備(違法)を理由に行政処分を受けたことは一度も無い。
したがって、被告会社が、貸金業者として、各消費者に対し、各取引毎に、適法に同法17条1項及び18条1項に規定する所定の書面を交付していると認識していたこと、またそのように認識するに至ったことについて、やむをえないといえる特段の事情がある。
イ 原告の認否及び反論
a 被告主張の「被告会社は,昭和58年11月1日より施行された貸金業法において,同法17条1項及18条1項の書面交付の不備(違法)を理由に行政処分を受けたことは一度も無い。」は,原告の第1準備書面で主張した次の内容に対する反論でもあると考えられる。
b 被告アイフル主張の「返還請求を求めるほぼすべての人との間で貸金業者はトラブルなく取引を行ってきたのである。」については,強く争う。2005年7月25日頃,被告アイフル自身を被告とした集団訴訟が提起されたことは周知の事実である(甲2号証)。
c そして,被告アイフルの違法営業により,平成18年4月14日付けで近畿財務局から業務停止処分が下されたことも周知の事実である(甲3号証,甲4号証)。
d このように,被告アイフルの取引は,常にトラブルを伴ってきたものである。
e 原告のこの主張に対して,被告は,何の反論も出来ないでいるのである。
~a 被告主張の「被告会社が、貸金業者として、各消費者に対し、各取引毎に、適法に同法17条1項及び18条1項に規定する所定の書面を交付していると認識していたこと、またそのように認識するに至ったことについて、やむをえないといえる特段の事情がある。」に対して,全て否認及び争う。
b 被告は,各消費者に対し,各取引毎に,同法17条1項及び18条1項に規定する所定の書面を交付していない以上,同書面を交付していたとの認識またはそのように認識するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情は,存在しない。単なる被告の思い過ごしや希望に過ぎないものが,法的に何らかの効果を生ずるものではない。
c かかる特段の事情は,貸金業者が同法17条1項及び18条1項に規定する所定の書面を各取引毎に適法に交付した時に生じるに過ぎない。
d 本件において,被告は,貸金業者として,同法17条1項及び18条1項に規定する所定の書面を各取引毎に適法に交付したことの立証を放棄している以上,被告に最高裁判決に言う「特段の事情が存在する」とは,評価し得ない。
e よって,被告の主張には,理由がない。
C 「A所謂リボルビング契約締結時に交付した同法17条1項書面について」について
ア 第1段落について
 被告の主張
被告会社は、昭和63年頃より、あらかじめ定められた条件に従った返済が行われることを条件として、契約者の請求に応じ、極度額の限度内において繰り返し貸付けを行うことを約した所謂リボルビング契約を導入し、資金需要者との間でリボルビング契約を締結するにあたり貸金業法第17条1項各項に規定する書面を用意し、説明し、契約後遅滞無く交付している。
~ 原告の認否
否認する。
イ 第2段落及び第3段落について
 被告の主張
被告会社は、これらの契約書を、資金需要者ごとにいちいち個別に作成するのではなく、例えば貸付の利率などの資金需要者ごとに異なる可変部分を除いては、すべて不変であり一定の条項を定めた統一契約約款(附合契約)を使用し、例えば、昭和63年11月1日より使用していた契約約款には、同法17条1項に照らし、次の記載がなされている。
(表省略)
その後も現在に至るまで,多くの改定を行いながら,同様の統一契約約款の書面を交付している。
~ 原告の認否
全て不知。争う趣旨である。
そもそも,被告の主張は,原告に対して,所謂17条書面を交付したことの主張及び立証を放棄しているのであるから,このような主張は無意味である。
ウ 第4段落について
 被告の主張
したがって,原告との間で,ここの取引を行うにあたって締結されたリボルビング契約時(省略)に,遅滞無く交付した契約書面の写しは,法17条1項所定の記載がなされている。
氈@原告の認否
否認する。
D 「Bリボルビング契約に基づきここの貸付時に交付した方17条1項書面について」について
ア 第1段落及び第2段落について
 被告の主張
被告会社は、昭和63年頃より、全国に数百台のATM(現金自動預払機)を設置し,顧客らに顔土を貸与して,簡便に借入や返済が行えるようネットワーク(インフラ)を構築した。
被告会社は,原告がATMなどの方法により,締結されたリボルビング契約に基づき個々の借入を行った際には,その都度,法17条1項所定の書面(ATM明細書)を交付している。少なくとも昭和63年11月1日からのATM明細書には,次の記載が機械的になされるようシステム整備を行っていた。
(表 省略)
~ 原告の認否
不知。争う趣旨である。
イ 第3段落について
 被告の主張
したがって、原告の別紙計算書のうち、「貸付」欄に1,000円以上の記載がある各年月日において、記載の金額の貸付けをおこなった際は、その場で、遅滞無く、上記各項目が記載されたATM明細書等の書面の交付を行った。
~ 原告の認否及び主張
否認する。
被告は,一般論から,本件に関しても書面が交付されたとしているが,論理的に飛躍がある。端的に,書面の交付を主張立証されたい。
それとも,被告は,原告に対する適法な書面の交付に関して,主張及び立証を放棄する趣旨であろうか。
D 「C原告が返済を行った際に被告会社が交付した方18条1項書面について」について
ア 第1段落について
 被告の主張
被告会社は、昭和63年頃より、ATMにて返済を受けた場合は、その都度、その場で(直ちに)、法18条1項所定の書面(ATM明細書)を交付している。例えば、昭和63年11月1日からのATM明細書には、次の記載が機械的になされるようシステム整備を行っていた。
(表省略)
~ 原告の認否
不知。争う趣旨である。
イ 第2段落について
 被告の主張
したがって、原告の別紙計算書のうち、「返済」欄に1円以上の記載がある各年月日において、記載の金額の返済を受けた際は、その場で、直ちに、上記各項目が記載されたATM明細書等の書面の交付を行った。
~ 原告の認否及び主張
否認する。
被告は,一般論から,本件に関しても書面が交付されたとしているが,論理的に飛躍がある。端的に,書面の交付を主張立証されたい。
それとも,被告は,原告に対する適法な書面の交付に関して,主張及び立証を放棄する趣旨であろうか。

2 「2.悪意の否かを判断するにおいては,原告毎の個別の当時の資料(契約書控えやATM明細書の控え)の提出は不要であることについて」について
A 第1段落について
ア 被告の主張
「平成19年7月13日及び平成19年7月19日最高裁判決は、『貸金業法43条が認められるとの認識を有していたことについて、やむを得ないといえる等の特段の事情のない限り、過払金発生時から悪意の受益者により5%の利息が発生する。』と判示している。
イ 原告の認否
認める。
B 第2段落について
ア 被告の主張
一方、平成21年7月10日最高裁判決により、貸金業法第43条の成立をめぐる平成18年1月13日最高裁判決以前になされた期限の利益喪失約款の下での支払については、これを受領したことのみを理由として当該貸金業者を悪意の受益者であると推定することはできず、利息制限法超過利息の支払にあたって、法17条書面及び18条書面の交付がなされたか否かを検討しなければならないと判示された。
イ 原告の認否
認める。
C 第3段落について
ア 被告の主張
この平成21年7月10日最高裁判決の法理に従って民法704条の悪意の受益者か否かを判断するにあたって、法17条書面及び18条書面を交付したことの立証は、原則として、当該顧客(原告)に関する具体的立証を要さず、前述したような、貸金業者の業務体制についての一般的立証で足りると解される。
イ 原告の認否及び主張
否認する。
平成21年7月10日最高裁判決は,「貸金業者の業務体制についての一般的立証で足りる」とは,一切述べていない。
そもそも,そもそも,民事訴訟の既判力は,個別的・相対的なものであり,その主張及び立証は,当該事件に関して行わなければならない。とすれば,法17条書面及び18条書面を交付したことの立証は,当該顧客(原告)に関する具体的立証を要する。
被告の主張は,民事訴訟の構造を無視した独自の見解を述べたに過ぎないものである。
D 第4段落について
ア 被告の主張
なぜなら,利息制限法超過利息の受領そのもの(法43条)の成立を争うような紛争と違い,前述平成18年1月13日最高裁判決によって法43条が死文化してしまった今日においては,単に民法704条の法定利息の有無を判断するのみであるところ,法17条書面及び18条書面を交付の有無の審理にあたって当該顧客(原告)毎の数十回乃至数百回にわたる取引について,法17条書面及び18条書面を書証として取り調べることとすると,裁判所にとっても多大な審理上の負担となり,訴訟経済の観点からも極めて不相当である。
イ 原告の認否及び主張
争う。
そもそも,被告は,訴訟経済の意義を取り違えている。
訴訟経済の定義は,「訴訟を運営するに当たって,裁判所,当事者その他関係人の労力,出費,必要時間等の負担をできるだけ軽減するのがよいという訴訟制度の基本適用要請の一つ。適正,公平の要請と調和させつつ考慮されなければならない。」(有斐閣法律用語辞典第2版879ページ第3段)とある。
被告の主張は,自らの主張立証を放棄することを,訴訟経済の文言を誤用して,正当化するに過ぎない。本件のように,取引回数が僅か160数回に過ぎない場合に,裁判所が法17条書面及び18条書面として取り調べることは多大な審理上の負担となるものではない。
加えて,被告の主張は,有資格法律用語辞典も述べる「適正,公平の要請」に関し何ら述べていない。
したがって,被告の主張には,理由がない。
E 第5段落について
ア 被告の主張
また,貸金業者において,とある顧客(原告)については書証が検索できなかったが,とある顧客(原告)については書証の検索ができたからといって,当時の貸金業者の悪意についての認識を推定するにあたって,判断を違える結果となることは法理に反することとなる。
イ 原告の認否及び主張
争う。
被告(貸金業者)において,とある顧客(原告)については書証が検索できなかったということは,被告において,単に,立証を失敗したことを意味するに過ぎない。
また,民事訴訟の個別性・相対性から,ある顧客に対して,立証を成功し,ある顧客に対して,立証を失敗することは,民事訴訟法が予め予定するものであって,被告の主張には,理由が無い。
F第6段落について
ア 被告の主張
したがって,被告会社において,顧客(原告)に対して法17条書面及び18条書面を交付する一般的な業務体制を構築していたことが証拠によって認められ,且つ,原告の業務体制に反して法17条書面及び18条書面を交付されなかったことをうかがわせる証拠も無いときは,原告に対しても法17条書面及び18条書面を交付なされていたと認めるべきである。
イ 原告の認否及び主張
争う。
被告の主張には,論理の飛躍がある。被告の業務体制が整っていたからといって,必ずしも,個別の顧客に対して,法17条書面及び18条書面を交付されたとは限らない。
被告は,みなし弁済を主張するのであれば,個別の顧客(原告)に対して,立証を行う必要がある。
G なお書きについて
ア 被告の主張
※なお,被告会社が,原告との取引当時より,法17条書面及び18条書面を交付する業務体制を構築していたことの証拠は,次回口頭弁論に間に合うように提出する予定である。
イ 原告の主張
被告が提出しようとする証拠は,本件において,被告の悪意を否定するに足りる証拠ではない。このような本件の紛争解決に何ら役に立たない証拠提出のために,口頭弁論期日を無駄に設けることこそすることこそ「訴訟経済」に反するものである。

第2 「第2.悪意の受益者ではないことから返還すべき範囲は,経済的合理性の観点(現存利益)より過払い元金の55%に留まることについて」
1 被告の認否及び反論
A 否認及び争う。
B 原告は,この部分についての主張について,既に,原告第1準備書面で行ったところである。
それにもかかわらず,被告は,答弁書での主張とほぼ同内容の主張を繰り返すのみであり,何ら,原告の主張の反論となっていない。
参考までに,原告が原告第1準備書面で行った主張を繰り返す。
C 被告アイフルは,利息制限法超過利息の受領による不当利得の取得に対して法人税を納付したことにより,現存利益が減少したことを理由としている。
D しかしながら,被告アイフルは,利息制限法超過利息の受領による不当利得の取得に対して法人税を納付したのであれば,かかる不当利得の返還により,利益(益金)が減少したのであれば,それに応じて,更正決定を受けて払い過ぎた法人税の還付を受ければ良いのである。かかる議論を被告アイフルは見落としており,理由がない。
E そして,被告アイフルは,過払金の返還による損失の生ずる予測に対して,引当金を設定することができる。
F ところで,引当金とは,「実際には未だ財貨又は役務の費消が確定しておらず(未費消),支払又は支払義務の確定がなされていなくても(未支出),適正な期間損益計算の見地から費用又は損失を見越し計上する場合に,借方に計上される費用又は損失に見合って借方に計上される項目」である。
G 現在,被告アイフルは,次のとおり引当金を設定しており,引当金設定に要する金額を損金計上している。これにより,租税上の効果(事実上の減税効果)を得ている。
H 被告アイフルは,平成20年4月1日〜平成21年3月31日の事業年度において,「利息返還損失引当金繰入額」として,次のとおり計上している。
連結決算ベース       金583億1500万円
被告アイフル単独決算ベース 金398億7700万円
被告アイフルは,このように多額の利息返還損失引当金繰入額を,その他の営業費用として計上している(甲8号証,71頁,112頁)。
しかも,同事業年度の有価証券報告書の連結決算の部において,被告アイフルは,「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」「4.会計処理基準に関する事項」「C 重要な引当金の計上」において次のとおり述べている。
前連結会計年度の行
ニ 利息返還損失引当金
将来の利息返還金の発生に備えるため,過去の返還実績を踏まえ,かつ,最近の返還状況を考慮する等により,返還見込額を合理的に見積もり計上しております。
当連結会計年度の行
ニ 利息返還損失引当金
同左
(甲8号証,80頁)。
加えて,同事業年度の有価証券報告書の被告アイフル単独決算の部において,被告アイフルは,「重要な会計方針」「6.引当金の計上基準」において次のとおり述べている。
前事業年度の行
D 利息返還損失引当金
将来の利息返還金の発生に備えるため,過去の返還実績を踏まえ,かつ,最近の返還状況を考慮する等により,返還見込額を合理的に見積もり計上しております。
当事業年度の行
D 利息返還損失引当金
同左
(甲8号証,120頁)。
従って,被告アイフルは,自ら利息返還損失引当金を「将来の利息返還金の発生に備えるため,過去の返還実績を踏まえ,かつ,最近の返還状況を考慮する等により,返還見込額を合理的に見積もり計上して」いることを認めているのであるから,被告アイフルの主張に理由がないことは明らかである。
また,前述のとおり「利息返還損失引当繰入金」を計上しており,これにより,税効果を得ている。
仮に,本件における被告アイフルの主張が正当なのであれば,有価証券報告書には,虚偽の内容を記載したことを意味する。
それにもかかわらず,この租税上の効果について,被告アイフルは,何ら触れていない。被告アイフルの主張は,税効果会計に関し,独自の見解を述べるに過ぎず,理由がない。
なお,被告アイフルは,過去において,適正な引当金を設定しなかったというのであれば,それは,被告アイフル経営者の見越しの誤りに起因するものであって,過払金被害者である原告が被告アイフル経営者の見越しの誤りの責任を負うものではない。
I 加えて,被告アイフルは,各事業年度の所得に対しておよそ40%程度の法人税有効税率を乗じて算出されていることを公知の事実としているが,かかる事実は公知の事実とは言い難く,この点,強く争う。被告アイフルは,受領した利息制限法超過利息を益金として計上したことにより,実際に,どれだけの法人税等が賦課されたのかを主張・立証する必要があるにもかかわらず,これを怠っている。
J 従って,被告アイフルは,この点を具体的に主張・立証されたい。仮に,被告アイフルがこの点を具体的に主張・立証しないのであれば,かかる主張は,失敗したものとして扱われるものである。

第3 「第3.仮に悪に受益者であったとしても,法定利息を付すべき時期は取引終了時の翌日であることについて」について
1 原告の認否及び主張
A 否認及び争う。
B 原告は,この部分についての主張について,既に,原告第1準備書面で行ったところである。
それにもかかわらず,被告は,答弁書での主張とほぼ同内容の主張を繰り返すのみであり,何ら,原告の主張の反論となっていない。
参考までに,原告が原告第1準備書面で行った主張を繰り返す。
C 悪意の受益者に関する先例となる判例は,最高裁判所第三小法廷平成19年7月17日判決(事件番号 平成18年(受)第1666号)(甲6号証)である。
この判決によると,貸金業者が利息制限法の制限超過利息を受領したが,その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められないときは,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことがやむを得ないといえる特段の事情がある場合でない限り,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者,すなわち民法704条「悪意の受益者」であると推定されるものとしている。
D 本件においても,被告アイフルは,各弁済の弁済金のうち,制限超過部分を認める計算書を提出しているのであるから,各弁済金を受領した時点において貸金業法43条1項の適用があるとの認識を有していたとの推定を受ける。
E 被告アイフルは,この推定を破るだけの反証を行っていない。
F 従って,被告アイフルは,民法704条にいう「悪意」の受益者に該当する。
G さらに,平成21年9月4日に,最高裁判所第二小法廷判決があったので,引用する(甲7号証)。
H「金銭消費貸借の借主が利息制限法1条1項所定の制限を超えて利息の支払を継続し,その制限超過部分を元本に充当すると過払金が発生した場合において,貸主が悪意の受益者であるときには,貸主は,民法704条前段の規定に基づき,過払金発生の時から同条前段所定の利息を支払わなければならない(大審院昭和2年(オ)第195号同年12月26日判決・法律新聞2806号15頁参照)。このことは,金銭消費貸借が,貸主と借主との間で継続的に金銭の借入とその弁済が繰り返される旨の基本契約に基づくものであって,当該基本契約が過払金が発生した当時他の借入金債務が存在しなければ過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものであった場合でも,異なるところはないと解するのが相当である。」
I 従って,いわゆる過払金充当合意を含む基本契約に基づく金銭消費貸借の借主が利息制限法所定の制限を超える利息の支払を継続したことにより過払金が発生した場合でも,民法704条前段所定の利息は過払金発生時から発生することは明らかである。
J よって,本件においても,民法704条前段所定の利息は過払金発生時から発生することは明らかである。

第4 「第4.取引の分断が発生しており,前段過払い金を後段貸付金へ充当する理由が無いことについて」について
1 「1.答弁書別紙1各枝番計算書毎に異なる基本契約を締結したこと,前段約定残債務を全額弁済した上で,その後に改めて基本契約を締結し,取引が行われたことについて」
A 第1段落について
ア 被告の主張
原告は、訴状において、原告被告間の取引を全て一連の取引であるものとして,過払金をその後の新たな借入金債務に充当して計算しているが、少なくとも、原告被告間の取引は、答弁書別紙1各枝番取引計算書毎に異なる基本契約に基づいた取引が行われたものである。
イ 原告の認否及び主張
否認する。
本件は,一連の契約である。
B 第2段落について
ア 被告の主張
つまり、前段の枝番の最終取引日においては、づき、約定残債務の全額を任意に弁済し、その後原告は、かかる前段基本契約に基づき,約定残債務の全額を任意に弁済し,その後,別紙説明書「休眠期間」の間、何らの取引も行わず、その後後段の取引を行うべく、改めて後段基本契約を締結したうえで、それぞれの取引がなされたものである。
イ 原告の認否及び主張
否認及び争う。
被告主張の所謂休眠期間は,平成14年2月19日と同年4月10日の僅か2か月弱である。このような短期間を休眠期間と言うことは不当である。
C 第3段落について
ア 被告の主張
したがって、これらの取引を利息制限法所定利率で再計算するに際しては、前段の取引で発生した過払金を後段の取引に基づく借入金債務に充当する理由はない。
イ 原告の認否及び主張
否認及び争う。
被告の主張は,「前段の取引で発生した過払金を後段の取引に基づく借入金債務に充当する理由はない。」は,二つの取引を分断することを前提としており,理由がない。
加えて,平成20年1月18日最高裁判決を無視するものである。同判決の内容は,概ね次のとおりである。
同判決においては,基本契約が異なる場合に第1の基本契約に基づく取引にかかる過払金が第2の基本契約に基づく取引に係る債務に充当される場合の特段の事情について判示している。その特段の事情として掲げられた中には,「第1の基本契約に基づく貸付け及び弁済が反復継続して行われた期間の長さやこれに基づく最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸付けまでの期間」や「第1と第2の各基本契約における利率等の契約条件の異同等」が挙げられている。本件の場合には平成8年8月16日から平成14年2月19日までの5年7か月という長期間にわたって貸付と弁済が繰り返され,そのわずか1か月22日後である平成14年4月10日に,再度貸付けがなされており,その契約条件も利息や遅延損害金といった内容は全く同じである。このような事情からは,同判決に照らした場合,本件は明らかに「第1の基本契約に基づく取引と第2の基本契約に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができる場合」であって,「第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意」が存在するものと解される事案である。

2 「2.被告会社が「分断」を主張するケースにおける具体的な条件について」について
A @ついて
ア 原告の認否及び主張
不知及び争う。
被告の主張は,前述の平成20年1月18日最高裁判決を無視した主張でしかない。
B A乃至Cについて
ア 原告の認否及び主張
否認及び争う。

第5 「 第5.結論」について
争う。

第6 今後の口頭弁論の予定について
1 被告の主張
被告会社は、原告との取引当時より、法17条書面及び18条書面を交付する業務体制を構築していたことの証拠として、取引当時顧客に交付していた契約書等のサンプルを次回提出する予定であるため、訴訟を終結することなく、次回期日を設定頂きたくお願い申し上げます。
2 原告の認否及び主張
被告が提出を予定するサンプルは,原告・被告間の適法な法17条書面及び法18条書面を示すものではなく,本件の立証に何ら役に立つものではない。単に,期日を引き延ばす目的に過ぎない。
よって,裁判所におかれては,速やかに弁論を終結され,判決を言い渡されるたい。





   

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