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アイフルに対する新しい判決(その1)


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対アイフルの過払金返還請求訴訟(不当利得金返還請求訴訟)の判決を一つ公開します。
大阪の弁護士による判決文です。
大阪の弁護士は,アイフルの抵抗に対して返り討ちにすることができました。
簡裁の事案ですが,端的で分かりやすい判決文なので,公開します。
なお,判決文を平打ちしたものなので,誤字脱字は,ご勘弁下さい。

平成21年11月19日判決言渡同日判決原本領収裁判所書記官
平成21年(ハ)第12176号不当利得返還請求事件
口頭弁論終結日平成21年10月15日

判決

神戸市東灘区
原告      ○○○○
同訴訟代理人弁護士佐野隆久

京都市下京区烏丸通五条上る高砂町381-1
被告 アイフル株式会社
同代表者代表取締役 福田 吉孝
同訴訟代理人  ○○○○

束京都新宿区西新宿八丁目15番1号
被告 株式会社武富士
同代表者代表取締役 清川 昭

 主 文

1 被告アイフル株式会社は,原告に対し,金68万0361円及び内金50万9463円に対する平成21年7月25日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

2 被告株式会社武富士は,原告に対し,金66万6549円及び内金50万0117円に対する平成21年7月25日から支払済みまで年5パーーセントの割合による金員を支払え。

3 訴訟費用は被告らの負担とする。

4 この判決は1項及び2項に限り仮に執行することができる。

事実及び理由

第1 請求

 主文1項及び2項と同旨

第2 事案の概要

本件は,原告が被告アイフル株式会社(以下「被告アイフル」という。)から平成8年8月16日から平成14年11月28日までの間に,継続的に金銭の借り入れ,弁済を繰り返したが,支払つた利息は利息制限法所定の制限利率を超過しており,超過部分を元本に充当すると過払いとなると主張し,また,原告が被告株式会社武富士(以下「被告武富士」という。)から平成8年8月7日から平成14年11月28日までの間に,継続的に金銭の借り入れ,弁済を繰り返したが,支払つた利息は利息制限法所定の制限利率を超過しており,超過部分を元本に充当すると過払いとなると主張し,当該被告に対し, 過払金を不当利得金として返還を求め,かつ, 被告らが悪意の受益者であるとして民法704条に基づき上記不当利得金に対する利息の支払を求めた事案である。

1 請求原因の要旨(1)(被告アイフル関係)
(1)(貸付及び返済)
原告は,被告アイフル(貸金業者)との間で,平成8年8月16日から平成14年11月28日まで別紙1利息制限法に基づく法定金利計算書1(以下「別紙1計算書」という。)記載の年月日欄の年月日に借入金額欄の金額を借入れ,弁済額欄の金額の弁済を繰り返してきた。

(2)(過払額)
原告の被告アイフルに対する貸金弁済について,利息制限法所定の制限利率を超過する利息の支払は超過部分につき無効であるから同法所定の制限利率年18パーセントの割合によって計算し,超過部分を元本に充当し,更に,下記(3)項の理由によって発生した年5パーセントの割合による利息を元本に充当した結果,別紙1計算書記載のとおり平成14年11月28日現在金50万9463円の過払いとなる。

(3)(悪意の受益者)
被告アイフルは,貸金業者であって,本件取引について貸付弁済が行われたことを把握しており,利息制限法所定の制限利率を超えて利息を収受すると不当利得が発生することを知つており, それを知りながら同法所定の制限利率を超える利息を収受し利得した者であるから民法704条の悪意の受益者に該当する。

したがって,被告アイフルは過払金に対し, 民法所定の年5パーセントの割合による利息を付して返還すべきで,前項の過払金に対する平成2 1年7.月24日までの元本充当分を除いた利息の未払累計額は別紙1計算書記載のとおり平成21年7月24日現在金17万0898円となる。

(4)(原告が被告アイフルに求める請求額)
原告は,被告アイフルに対し,目可記1(2)(3)の合計額金68万0361円及び内金50万9463円に対する平成21年7月25日から支払済みまで年5パーセントの割合による利息の支払を求める。

2  請求原因の要旨(2)(被告武富士関係)

(1)(貸付及び返済)
原告は,被告武富士(貸金業者)との間で,平成8年8月7日から平成14年11月28日まで別紙2利息制限法に基づく法定金利計算書2(以下「別紙2計算書」という。)記載の年月日欄の年月日に借入金額欄の金額を借入れ,弁済額欄の金額の弁済を繰り返してきた。

(2)(過払額)
原告の被告武富士に対する貸金弁済について,利息制限法所定の制限利率を超過する利息の支払は超過部分につき無効であるから同法所定の制限利率年18パーセントの割合によって計算し,超過部分を元本に充当し,更に, 下記(3)項の理由によって発生した年5パーセントの割合による利息を元本に充当した結果,別紙2計算書記載のとおり平成14年11月28日現在金50万0117円の過払いとなる。

(3)(悪意の受益者)
被告武富士は,貸金業者であって,本件取引について貸付弁済が行われたことを把握しており, 利息制限法所定の制限利率を超えて利息を収受すると不当利得が発生することを知つており, それを知りながら同法所定の制限利率を超える利息を収受し利得した者であるから民法704条の悪意の受益者に該当する。
したがって,被告武富士は過払金に対し,民法所定の年5パーセントの割合による利息を付して返還すべきで,前項の過払金に対する平成2 1年7月24日までの元本充当分を除いた利息の未払累計額は別紙2計算書記載のとおり平成21年7月24日現在金16万6432円となる。

(4)(原告が被告武富士に求める請求額)

原告は,被告武富士に対し,前記2(2)(3)の合計額金66万6549円及び内金50万0117円に対する平成21年7月25日から支払済みまで年5パーセントの割合による利息の支払を求める。

3 被告アイフル主張の要旨

(1)取引の個数と充当

原告と被告アイフルの取引は,@平成8年8月16日から平成14年2月19日までの取引(以下「第1取引」という。)とA平成14年4月10日から平成14年11月28日までの取引(以下「第2取引」という。)一の,2個の取引であり,第1取引の過払金が第2取引の借入金に充当されることはない。

(2)悪意の受益者の否定
被告は,本件貸付について,貸金業法(以下「法」という。)17条,18条に規定する書面を適正に交付し,法17条,18条書面についても不備を理由に行政処分を受けたこともなく,法43条1項のみなし弁済の適用があると認識していた。 原告の弁済にっいても任意に支払つたと認識していたもので,最高裁判決にいう法43条1項が認められるとの認識を有していたことについて; やむを得ないといえる特段の事情があるというべきで,被告は悪意の受益者でない。

仮に,被告が悪意の受益者にあたるとしても,民法704条の利息を付すべき始期は,訴状送達の日の翌日からとすべきである。

(3)過払金に対する利息の発生時期
継続的な金銭消費貸借取引において,過払金に対する利息の発生時期は,過払金に係る不当利得返還請求権が具体的に確定し,悪意の受益者が 「受
けた利益」 が確定するのは取引終了日であるから,民法704条による利息の発生時期は取引終了日の翌日である。

(4)過払金の返還の範囲
被告は法人税として利息制限法超過分の利息金のうち45パーセントを支払つており,過払金の返還額は45パーセント減額した55パーセントとすべきである。

4 主な争点

(1)取引の個数と充当
(2)被告の悪意の受益者の当否
(3)過払金に対する利息の発生時期
(4)過払金の返還の範囲

第3 当裁判所の判断

請求原因(1)の要旨(被告アイフルの関係) について
1  証拠及び弁論の全趣旨によれぱ,被告アイフルが登録を受けた貸金業者であり,原告が被告アイフルから,平成8年8月16日から平成14年11月28日までの間,別紙1計算書記載の年月日欄の年月日に借入金額欄の金額を借入れ,弁済額欄の金額を弁済した事実が認められる。


2 取引の分断と過払金の充当について

被告アイフルは,原告と被告アイフルの取引は,第1取引と第2取引の2個の個別の取引であり,第1取引の過払金が新たな第2取引の借入金に充当されることはない旨主張する。

これについて検討してみると,証拠及び弁論の全趣旨によれば,第1取引は,平成8年8月16日に取引が開始され平成14年2月19日まで約5年7か月間の取引で,第1取引を完済して2か月足らずの平成14年4月10日に第2取引が開始され,第2取引についての与信審査の形跡も認められない。 これらの事情を総合的に考慮すると,本件取引は,同一の基本契約に基づく継続的1個の取引と評価できると認められ,過払金について,当事者間に,充当に関する特約も認められないから,第1取引の過払金は第2取引の新たな借入金債務の元本に充当されると解するのが相当である。


3  被告の民法704条の惡意の受益者の当否について

登録を受けた貸金業者である被告は,本件取引の約定利息が利息制限法における制限利率を超えていることを認識していたにもかかわらず,法43条のみなし弁済の主張はするが立証(法17条,18条書面の交付の立証)をしない。 被告アイフルは,本件貸付がみなし弁済規定所定の要件を欠き,その適用を受けられないことを知つていたと認められる。 みなし弁済規定の適用を受けない限り,取引が積み重なれば,利息制限法の適用により,いずれ過払いが予想され,いつから余剰金が発生したかということまで認識する必要はないと解されるから,被告は,原告が過払いとなった当初から悪意の受益者であると認められる。


4 過払金に対する利息の発生時期について

被告は,本件は基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引で,過払金に対する利息の発生時期は,過払金に係る不当利得返還請求権が具体的に確定し,悪意の受益者が 「受けた利益」 が確定するのは取引終了日であるから,利息の発生時期は取引終了日の翌日である旨の主張をしているようであるが,利息にっき利息制限法所定の制限利率に引き直して計算すると,その都度過払金の額は確定し, 被告アイフルは前記3のとおり過払い発生当初から悪意の受益者と認められるから,過払金発生時から過払金に対し,民法所定の年5パーセントの割合による利息を付して返還すべきで,被告アイフルの前記主張は採用しない。


5 過払金の返還の範囲

被告アイフルは法人税として利息制限法超過分の利息金のうち45パーセ・ントを支払つており,原告に対する過払金の返還額は45パーセント減額した55パーセントとすべきである旨主張するが,これは被告アイフルの独自の見解であって採用しない。


6 以上の次第であるから,原告の被告アイフルに対する本件貸金弁済について,これを利息制限法所定の制限利率である年18パーセントの割合によって利息を計算し,制限超過額を元本に充当すると,別紙1計算書記載のとおりで,平成14年11月28日現在金50万9463円の過払いが生じ,過払金に対する未払利息は,平成21年7月24日現在金17万0898円が生じていることが認められ,原告の被告アイフルに対する請求は理由がある。

請求原因(2)の要旨(被告武富士関係)について
証拠及び弁論の全趣旨によれば,原告の被告武富士に対する請求原因事実をすべて認めることができる。 この事実をもとに判断すると,原告の被告武富士に対する請求は理由がある。

7  よって, 主文のとおり判決する。

神戸簡易裁判所


裁判官
平成21年11月19日

神戸簡易裁判所
裁判所書記官


ここからは,費用確定処分に関する決定書きです。

平成21年(サ)第   号訴訟費用額確定処分申立事件
(本案神戸簡易裁判所平成21年(ハ)第     号)
訴訟費用額確定処分

申立人住所神戸市
申立人(原告)
同訴訟代理人弁護士佐野隆久
相手方住所京都市下京区烏丸通五条上る高砂町381-1相手方(被告)アイフル株式会社
同代表者代表取締役福田吉孝

申立人から,当庁平成2.1年(ハ)第12176号事件(平成21年11月19日判決言渡し) にっいて,相手方アイフル株式会社との間の訴訟費用額確定処分の申立があったので, 別紙計算書に基づき,次のとおり定める。

主  文

相手方は,申立人に対し,9911円を支払え。

平成22年1月8日

神戸簡易裁判所

.裁判所書記官

これは正本である。

平成22年1月8日

神戸簡易裁判所
裁判所書記官
                 計 算 書
1 訴え提起手数料                                5551円
(上記訴え提起手数料にっいては、 訴訟提起時に納付された訴え提起手数料1万10 0 0円を被告アイフル株式会社に対する訴額50万9463円と被告株式会社武富士に対する訴額50万0117円によって案分計算した額である。)
2  被告アイフル株式会社に対する訴状副本及び第1回口頭弁論期日呼出状等送達費用                                                         1100円

3 被告アイフル株式会社に対する判決正本送達費用         1100円

(以上の小計) (7751円)

4  相手方に対する送付書及び訴訟費用確定処分申立書副本送付費用   8 0円

5 申立人に対する訴訟費用額確定処分正本送達費用         1040円

6 相手方に対する訴訟費用額確定処分正本送達費用         1040円

計 9911円


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