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CFJに対する原告準備書面(平成23年12月26日付け)(全面公開)
電話 06-6136-1020
平成23年12月1日,最高裁判所第一小法廷で,貸金業法17条書面・18条書面に関する判決が出ました。
リボルビング方式の貸付について,貸金業者が17条書面として交付する書面に確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載をしない場合は,17条書面には上記記載を要するとした最高裁判所の判決以前であっても,当該貸金業者につき民法704条の「悪意の受益者」との推定を覆す特段の事情があるとはいえない。」との判断を示しました。

これまで,平成18年以前には,悪意の受益者との推定を覆す特段の事情があると主張してきた,CFJのの悪意の受益者でないとの主張は,終焉を迎えたようです。

CFJは,アイフルや全面降伏前夜の武富士の準備書面ほどの量ではありませんが,論点は,きっちりと押さえています。
邪推ですが,武富士の残党をCFJが雇ったように思えます。

ここであげられている論点は,次の二つです。

1 CFJは,民法704条の
「悪意の受益者」に当たるか。

段落の項目は,次のとおり,大から小項目となっています。
第1章⇒第1⇒1⇒(1)⇒ア⇒(ア)⇒a⇒(a)

この準備書面の著作権は,弁護士佐野隆久にありますが,自由に使い回してくださって結構です。
但し,同業者の方や本人訴訟を既に提起されている方からの,質問などには,一切お答えしませんので,悪しからずご了承下さい。

CFJの準備書面(3)及び準備書面(4)に対する大阪の弁護士の第3準備書面を公開します。

ワープロを平打ちしたため,誤字脱字が多いかもしれませんが,ご容赦下さい。

 原告は,被告準備書面(3)及び被告準備書面(4)に対して,次のとおり,認否及び反論する。

第1章 被告準備書面(3)に対して
第1 「第2 平成23年9月27日付原告第2準備書面に対する答弁,認否」
1 「1」について
(1) 被告の主張
被告には,旧貸金業法43条1項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるため,悪意の受益者であると推定することはできない。
(2) 原告の認否及び
否認及び争う。
被告は,
最高裁平成19年7月13日判決の解釈を誤っており,誤った解釈に基づた主張を行っているに過ぎない。従って,被告の主張は理由がない。
すなわち,被告は,「みなし弁済が成立しない場合であっても,貸金業法43条1項の適用があると貸金業者が認識しており,かつ,当該認識を有するに至ったことがやむを得ないといえる特段の事情の存在する限り,『悪意の受益者』であると推定することはできないものと解される。」と主張する。
しかし,同判決は,明確に「貸金業者が利息制限法の制限超過利息を受領したが,その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められないときは,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情がある場合でない限り,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者,すなわち民法704条『悪意の受益者』であると推定される」ものとしている。
従って,被告の主張は,同判決に関する解釈を誤っており,理由がない。

2 「(1) 店頭から17条書面が交付されたこと」
(1) 被告主張の要旨
乙18号証-1「領収書兼ご利用明細書(控)」,乙18号証-2「領収書兼ご利用明細書(控)」は,17条書面の法定記載事項を充足しており,店頭から原告に対して,17条書面を交付した。
(2) 原告の認否及び反論
否認及び争う。
仮に,被告が原告に対して,乙18号証の1及び同号証の2を交付したとしても,これらは,次のとおり,旧貸金業法17条の要件を充足していない。従って,被告から原告に対して,旧貸金業法17条所定の書面が交付された事実はない。
旧貸金業法17条1項2号の要件,契約年月日の記載がない。
同条項4号の要件,貸付の利率の記載がない。
同条項5号の要件,返済の方式の記載がない。
同条項6号の要件,返済期間および返済回数の記載がない。
同条項7号の要件,賠償額の予定に関する定めの記載がない。
内閣府令(貸金業の規制等に関する法律施行規則)13条1項6号「契約の相手方の借入金返済能力に関する情報を信用情報機関に登録するときは,その旨及びその内容」について,記載がない。
同条項6号「利息の計算方法」について,記載がない。
同条項7号「返済方法及び返済を受ける場所」について,記載がない。
同条項8号「各回の返済期日及び返済金額」について,記載がない。
同条項9号「契約上の返済期日前の返済ができるか否か,及び返済ができるときは,その内容」について,記載がない。
同条項10号「期限の利益の喪失の定めがあるときは,その旨及びその内容」について,記載がない。
また,被告は,契約書に記載があることを主張する。しかし,17条書面は,貸付けがおこなわれる都度交付される必要がある。従って,契約書に記載があることだけでは要件を満たさない。


3 「(2) 店頭から18条書面が交付されたこと」
(1) 被告主張の要旨
乙19号証-1「領収書兼ご利用明細書(控)」,乙19号証-2「領収書兼ご利用明細書(控)」,乙19号証-3「領収書兼ご利用明細書(控)」は,18条書面の法定記載事項を充足しており,店頭から原告に対して,18条書面を交付した。
(2) 原告の認否及び反論
否認及び争う。
仮に,乙19号証-1乃至乙19号証-3が被告から原告に交付されたとしても,乙19号証-1乃至乙19号証-3は,次のとおり,旧貸金業法18条の要件を充足していない。従って,被告から原告に対して,旧貸金業法18条所定の書面が交付された事実はない。
旧貸金業法18条1項2号「契約年月日」の記載がない。
同条項3号「貸付の金額」の記載がない。

4 「(3) ATMから17条書面が交付されたこと」
(1) 被告主張の要旨
乙20号証-1乃至乙20号証-3「領収書兼ご利用明細票(ATM)被告の控え」が原告に対して,交付されており,これらは,旧貸金業法17条の要件を充足する。
(2) 原告の認否及び反論
否認及び争う。
仮に,原告に対して,これら書面が交付されたとしても,乙20号証-1乃至乙20号証-3は,次のとおり,旧貸金業法17条の要件を充足していない。従って,被告から原告に対して,旧貸金業法17条所定の書面が交付された事実はない。
旧貸金業法17条1項4号「貸付の利率」の記載がない。
同条項5号「返済の方式」の記載がない。
同条項6号「返済期間および返済回数」の記載がない。被告は,最終借入直後の約定返済日を起算日とした5年後の応当日を「お支払期限」欄に記載したとあるが,このようや約定は存在しない(乙3号証)。被告は,契約書とは異なった内容を記載しているに過ぎない。この記載は同条項の要件を充足しない。
5 「(4) ATMから18条書面が交付されたこと」

(1) 被告主張の要旨
乙21号証-1乃至同号証-5「領収書兼ご利用明細票(ATM)被告の控え」が原告に対して,交付されており,これらは,旧貸金業法18条の要件を充足する。
(2) 原告の認否及び反論
否認及び争う。
仮に,原告に対して,これら書面が交付されたとしても,乙21号証-1及び乙21号証-2は,次のとおり,旧貸金業法18条の要件を充足していない。従って,被告から原告に対して,旧貸金業法18条所定の書面が交付された事実はない。
旧貸金業法18条1項2号「契約年月日」の記載がない。
同条項3号「貸付の金額」の記載がない。
内閣府令(貸金業の規制等に関する法律施行規則)15条1項3号「債務者の商号,名称又は氏名」について,記載がない。

6 「3.原告主張に対する反論」について
(1) 「(1)」について
否認及び争う。
被告は,原告が主張していないことを恰も主張しているかの如く述べており,架空の原告の主張に対して,反論しているに過ぎない。従って,有効な反論とはいえない。
(2) 「(2)」について
否認及び争う。
被告は,現実に,自ら17条書面及び18条書面を交付したとして,証拠を提出しており,相当の時間と作業量を要するとはいえない。被告は,自らの立証を放棄するに過ぎない。
(3) 「(3)」について
否認及び争う。
既に,述べたとおり,被告が17条書面及び18条書面と主張する書面は,明らかに旧貸金業法17条及び18条の要件を満たしていない。
また,被告は,「基本契約書に『約定返済日』として『毎月27日』,『約定返済額』として『毎月返済日の10日前の融資残高が81,000円以下の場合,3,000円以上,さらに融資残高が27,000円増す範囲毎に1,000円を追加し返済するものとします』と記載されており,個別に交付された明細書には,『ご融資残高』『次回お支払額』『次回お支払日』の記載がされていること(乙10号証-4,乙20号証-2等)を根拠に,債務者において,自己の債務状況及び返済計画を把握する上で必要な記載がされていると被告は認識していた。」旨を主張する。
しかし,このような基本契約書の記載では,次回返済期日に,いくら返済すべきか一覧して分かるものではない。旧貸金業法17条の趣旨は,借主が次回の返済額を容易に知ることにより,返済金の調達を容易にし,もって借主の生活を維持せしめることにある。被告の契約書の記載では,借主が容易に次回の返済金額を知ることができず,旧貸金業法17条の趣旨を没却するものであるから,被告の基本契約書の記載では,旧貸金業法17条の要件を満たしていないことは明らかである。

また,被告は,最高裁平成16年2月20日判決(民集第58巻2号475頁)が厳格な判決を下すまでは,緩やかな要件で足りていたこと,また,大阪地裁平成23年8月26日判決(平成23年(ワ)第2857号)を根拠に悪意を否定する。
しかし,旧貸金業法17条及び18条の書面要件,交付要件などは,条文上客観的・一義的に明白な要件であるから,条文と異なった解釈が存在したこと等をもって,善意であったと主張することはできない。
また,大阪地裁平成23年8月26日判決は,最高裁判所のホームページにも掲載されておらず,先例性がなく,これを根拠とすることはできない。
いわゆる17条書面および18条書面の交付の有無は,法令の明文の規定の解釈問題であり,現在からみれば誤った解釈に基づいて行動していた場合に,それをやむを得ないとするには,少なくとも,被告の主張に一致する解釈が通説とされていて,これと異なる解釈をすることを期待することはできなかったというような事情が必要である。従って,明文上も止められている記載要件を欠けば,到底,17条書面および18条書面とは認められないことから,みなし弁済規定の適用があるとの認識を有するに至ったことにつき,やむを得ないといえる特段の事情は存在しない。
(4) 「(4)」について
被告は,「本件では,入金を行う際には,原告の自由意志で入金額を指定できるとされていたことから,任意弁済といえる。」と主張する。
しかし,ATM機で弁済する場合,金額の指定はできても,利息および元金への充当は,指定できない。すなわち,原告が利息制限法所定の利率で計算された利息を支払おうとしても,これでは,支払いを受け付けて貰えない以上,任意に利息制限法所定の利率を超過する利息を支払ったとはいえない。
よって,被告の主張は,理由がない。
(5) 「(5)」について
被告は,「基本契約書と個別の明細書との相互の関係は明確」であることを根拠として,個別の明細書に旧貸金業法17条所定の要件が掲げられていなくても,基本契約書に記載があれば足りる旨,主張する。
しかし,個別の明細書が発行されるとき,同時に契約書が存在するとはいえず,個別の明細書に記載されていない事項を逐次,借入者が確認出来るとはいえないから,基本契約書と個別の明細書とが密接な関係にあるとはいえない。
従って,被告の主張は,理由がない。
(6) 「(6)」について
被告は,「返済期間として,最終借入れ後の約定返済日を起算日とした5年後の応当日を最終期限とする旨の記載がされ,返済回数は60回と記載されていることから,『返済期間及び返済回数』の記載がなされている。」旨を主張する。
しかし,5年後の応当日や返済回数60回は,契約書上何等の記載もなく,意味のないものである。
従って,返済期間及び返済回数の要件を満たさない。
(7) 「(7)」について
前述のとおり,借入者が計算をしなければならない返済金額の記載は,一覧性がなく,「約定返済額」の記載の要件を充たさない。
(8) 「(8)」について
被告の主張は,独自の見解を示すに過ぎない。個別に交付される書面だけで,旧貸金業法17条所定の要件を充足する必要がある。
(9) 「(9)」について
客観的・一義的に明白な旧貸金業法17条の要件を下位法規である施行規則により歪められることは許されない。
また,被告が引用する判例は,最高裁のホームページにも掲載されておらず,先例としての意味を持たない。

(10) 「(10)」について
被告も認めるとおり,被告が設置するATM機は,借入者が返済する際に,利息及び元金への指定充当を認めず,被告が指定する元金及び利息への充当のみを認めるものである。
そして,期限の利益喪失約款と相俟って,借入者に利息制限法所定の利率を超える弁済を強制するものである。
よって,原告の弁済に任意性は認められない。



第2章 被告準備書面(4)に対して
第1 「第1 被告が悪意の受益者に該当しないこと」
1 「1」及び「2」について
(1) 被告主張の要旨
被告は,17条書面および18条書面を,取引の都度,原告に対して交付していたことを乙24号証-1乃至同号証-26,及び,乙25号証-1乃至同号証-33を新たに提出することによって立証する。
(2) 原告の認否及び反論
ア 否認及び争う。
イ 仮に,被告が原告に対して,乙24号証-1乃至同号証-26を交付したとしても,これらは,次のとおり,旧貸金業法17条の要件を充足していない。従って,被告から原告に対して,旧貸金業法17条所定の書面が交付された事実はない。
旧貸金業法17条1項2号の要件,契約年月日の記載がない。
同条項4号の要件,貸付の利率の記載がない。
同条項5号の要件,返済の方式の記載がない。
同条項6号の要件,返済期間および返済回数の記載がない。
同条項7号の要件,賠償額の予定に関する定めの記載がない。
内閣府令(貸金業の規制等に関する法律施行規則)13条1項6号「契約の相手方の借入金返済能力に関する情報を信用情報機関に登録するときは,その旨及びその内容」について,記載がない。
同条項6号「利息の計算方法」について,記載がない。
同条項7号「返済方法及び返済を受ける場所」について,記載がない。
同条項8号「各回の返済期日及び返済金額」について,記載がない。
同条項9号「契約上の返済期日前の返済ができるか否か,及び返済ができるときは,その内容」について,記載がない。
同条項10号「期限の利益の喪失の定めがあるときは,その旨及びその内容」について,記載がない。
また,被告は,契約書に記載があることを主張する。しかし,17条書面は,貸付けがおこなわれる都度交付される必要がある。従って,契約書に記載があることだけでは要件を満たさない。
ウ 仮に,乙25号証-1乃至同号証-33が被告から原告に交付されたとしても,乙25号証-1乃至同号証-33は,次のとおり,旧貸金業法18条の要件を充足していない。従って,被告から原告に対して,旧貸金業法18条所定の書面が交付された事実はない。
旧貸金業法18条1項2号「契約年月日」の記載がない。
同条項3号「貸付の金額」の記載がない。


2 「3.特段の事情」
(1) 「(1)」について
ア 「ア.平成9年10月3日に締結された基本契約書の記載事項について(乙第8号証)」について
認否しない。
イ 「イ」(乙10号証)について
旧貸金業法17条1項2号の要件,契約年月日の記載がない。
同条項4号の要件,貸付の利率の記載がない。
同条項5号の要件,返済の方式の記載がない。
同条項6号の要件,返済期間および返済回数の記載がない。
同条項7号の要件,賠償額の予定に関する定めの記載がない。
内閣府令(貸金業の規制等に関する法律施行規則)13条1項6号「契約の相手方の借入金返済能力に関する情報を信用情報機関に登録するときは,その旨及びその内容」について,記載がない。
同条項6号「利息の計算方法」について,記載がない。
同条項7号「返済方法及び返済を受ける場所」について,記載がない。
同条項8号「各回の返済期日及び返済金額」について,記載がない。
同条項9号「契約上の返済期日前の返済ができるか否か,及び返済ができるときは,その内容」について,記載がない。
同条項10号「期限の利益の喪失の定めがあるときは,その旨及びその内容」について,記載がない。
また,被告は,契約書に記載があることを主張する。しかし,17条書面は,貸付けがおこなわれる都度交付される必要がある。従って,契約書に記載があることだけでは要件を満たさない。
ウ 「ウ」及び「エ」について
乙21号証-1及び乙19号証-1が旧貸金業法18条の要件を充足していないことについて述べた。

(2) 「(2)」について
ア 「ア」について
内閣府令(貸金業の規制等に関する法律施行規則)13条1項14号「従前の貸付け契約の残債務を貸付け金額とする貸付にかかる契約の場合,従前の貸付の契約に基づく債務の残高の内訳及び当該貸付の契約を特定しうる事項」の記載がない。
従って,旧貸金業法17条の要件を充たさない。
イ 「イ」(乙18号証-1)について
旧貸金業法17条1項2号の要件,契約年月日の記載がない。
同条項4号の要件,貸付の利率の記載がない。
同条項5号の要件,返済の方式の記載がない。
同条項6号の要件,返済期間および返済回数の記載がない。
同条項7号の要件,賠償額の予定に関する定めの記載がない。
内閣府令(貸金業の規制等に関する法律施行規則)13条1項6号「契約の相手方の借入金返済能力に関する情報を信用情報機関に登録するときは,その旨及びその内容」について,記載がない。
同条項6号「利息の計算方法」について,記載がない。
同条項7号「返済方法及び返済を受ける場所」について,記載がない。
同条項8号「各回の返済期日及び返済金額」について,記載がない。
同条項9号「契約上の返済期日前の返済ができるか否か,及び返済ができるときは,その内容」について,記載がない。
同条項10号「期限の利益の喪失の定めがあるときは,その旨及びその内容」について,記載がない。
また,被告は,契約書に記載があることを主張する。しかし,17条書面は,貸付けがおこなわれる都度交付される必要がある。従って,契約書に記載があることだけでは要件を満たさない。
ウ 「ウ」について
否認及び争う。
仮に,被告が原告に対して,乙24号証-22を交付したとしても,これらは,次のとおり,旧貸金業法17条の要件を充足していない。従って,被告から原告に対して,旧貸金業法17条所定の書面が交付された事実はない。
旧貸金業法17条1項2号の要件,契約年月日の記載がない。
同条項4号の要件,貸付の利率の記載がない。
同条項5号の要件,返済の方式の記載がない。
同条項6号の要件,返済期間および返済回数の記載がない。
同条項7号の要件,賠償額の予定に関する定めの記載がない。
内閣府令(貸金業の規制等に関する法律施行規則)13条1項6号「契約の相手方の借入金返済能力に関する情報を信用情報機関に登録するときは,その旨及びその内容」について,記載がない。
同条項6号「利息の計算方法」について,記載がない。
同条項7号「返済方法及び返済を受ける場所」について,記載がない。
同条項8号「各回の返済期日及び返済金額」について,記載がない。
同条項9号「契約上の返済期日前の返済ができるか否か,及び返済ができるときは,その内容」について,記載がない。
同条項10号「期限の利益の喪失の定めがあるときは,その旨及びその内容」について,記載がない。
また,被告は,契約書に記載があることを主張する。しかし,17条書面は,貸付けがおこなわれる都度交付される必要がある。従って,契約書に記載があることだけでは要件を満たさない。
エ 「エ」について
否認する。
仮に,乙25号証-25が被告から原告に交付されたとしても,同号証は,次のとおり,旧貸金業法18条の要件を充足していない。従って,被告から原告に対して,旧貸金業法18条所定の書面が交付された事実はない。
旧貸金業法18条1項2号「契約年月日」の記載がない。
同条項3号「貸付の金額」の記載がない。

3 「4」について
(1) 「(1)」について
否認及び争う。
被告は,「本取引が最高裁平成16年判決及び同平成17年判決の言渡以前である平成14年3月13日に完済されて取引が終了していることをもって,被告がみなし弁済の要件を充足すると認識したことにつき,これらの判決の言渡を意識できなかった。」旨主張する。しかし,旧貸金業法17条及び18条は,厳格で一義的・客観的文言によって記載されていることから,最高裁平成16年判決及び同平成17年判決が,被告の認識を左右することはない。

(2) 「(2)」について
ア 被告主張の要旨
貸金業法施行後,みなし弁済の成立要件についての判例は変遷しており,被告においてみなし弁済が成立すると認識していたため,被告を悪意の受益者であると推定することはできない。
イ 原告の認否及び反論
争う。
貸金業法施行後,みなし弁済の成立要件についての判例の流れは,一貫している。
最高裁判所第一小法廷平成23年12月1日判決同年(受)第307号が,明確に,リボルビング方式の貸付けについて,貸金業者が17条書面として交付する書面に確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載をしない場合は,17条書面には上記記載を要するとした最高裁判所の判決以前であっても,当該貸金業者につき民法704条の「悪意の受益者」との推定を覆す特段の事情があるとはいえないとの結論を示した。その判決文を引用する。
「3 原審は,上記事実関係等の下において,次のとおり判断し,被上告人は民法704条の「悪意の受益者」であると認めることができないとして,上告人の請求のうち被上告人の控訴に係る部分を棄却した。
(1) 貸金業者が制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが,その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合には,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情(以下『平成19年判決の判示する特段の事情』という。)があるときでない限り,法律上の原因がないことを知りながら過払金を受領した者,すなわち民法704条の『悪意の受益者』であると推定される(最高裁平成17年(受)第1970号同19年7月13日第二小法廷判決・民集61巻5号1980頁)。
(2) リボルビング方式による貸付けについては,貸金業者において,個々の貸付けの際に,17条書面として借主に交付する書面に,確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載をすべき義務があり,基本契約書の記載と各貸付けの都度借主に交付された書面の記載とを併せても,確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載がないときは,17条書面の交付があったということはできない旨を判示した最高裁平成17年(受)第560号同年12月15日第一小法廷判決・民集59巻10号2899頁(以下『平成17年判決』という。)が言い渡されるまでは,17条書面に記載すべき事項について下級審の裁判例が分かれており,次回の最低返済額とその返済期日が記載されていれば足りるとする裁判例も相当程度存在し,監督官庁が貸金業法17条1項各号に掲げる事項のうち特定し得る事項のみ記載すれば足りると読むこともできる通達を出していた。
上記事情の下では,平成17年判決が言い渡されるまでは,貸金業者において,リボルビング方式の貸付けにつき借主に17条書面として交付する書面に確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載がないことから直ちに貸金業法43条1項の要件が否定されるものではないとの認識を有していたとしてもやむを得ないというべきであり,被上告人及びAが上記認識を有していたことについては,平成19年判決の判示する特段の事情があると認めるのが相当である。
(3) そして,本件各弁済のうち制限超過部分の支払について,貸金業法43条1項のその余の要件との関係でも,被上告人を悪意の受益者であると推定することはできず,ほかに被上告人が悪意の受益者であると認めるに足りる証拠はない。なお,被上告人とBとの間で前記の債権譲渡がされた時点では,第2取引につき過払金は発生しておらず,Bの認識等は,本件各取引における過払金の発生とは関係がない。
4 しかしながら,原審の上記3(2)の判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
(1) 貸金業法17条1項6号及び貸金業法施行規則13条1項1号チが17条書面に返済期間,返済金額等の記載をすることを求めた趣旨・目的は,これらの記載により,借主が自己の債務の状況を認識し,返済計画を立てることを容易にすることにあると解される。リボルビング方式の貸付けがされた場合において,個々の貸付けの時点で,上記の記載に代えて次回の最低返済額及びその返済期日のみが記載された書面が17条書面として交付されても,上記の趣旨・目的が十全に果たされるものではないことは明らかである反面,確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載をすることは可能であり,かつ,その記載があれば,借主は,個々の借入れの都度,今後,追加借入れをしないで,最低返済額を毎月の返済期日に返済していった場合,いつ残元利金が完済になるのかを把握することができ,完済までの期間の長さ等によって,自己の負担している債務の重さを認識し,漫然と借入れを繰り返すことを避けることができるのであるから,これを記載することが上記の趣旨・目的に沿うものであることは,平成17年判決の言渡し日以前であっても貸金業者において認識し得たというべきである。
そして,平成17年判決が言い渡される前に,下級審の裁判例や学説において,リボルビング方式の貸付けについては,17条書面として交付する書面に確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載がなくても貸金業法43条1項の適用があるとの見解を採用するものが多数を占めていたとはいえないこと,上記の見解が貸金業法の立法に関与した者によって明確に示されていたわけでもないことは,当裁判所に顕著である。
上記事情の下では,監督官庁による通達や事務ガイドラインにおいて,リボルビング方式の貸付けについては,必ずしも貸金業法17条1項各号に掲げる事項全てを17条書面として交付する書面に記載しなくてもよいと理解し得ないではない記載があったとしても,貸金業者が,リボルビング方式の貸付けにつき,17条書面として交付する書面には,次回の最低返済額とその返済期日の記載があれば足り,確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載がなくても貸金業法43条1項の適用が否定されるものではないとの認識を有するに至ったことがやむを得ないということはできない。
そうすると,リボルビング方式の貸付けについて,貸金業者が17条書面として交付する書面に確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載をしない場合は,平成17年判決の言渡し日以前であっても,当該貸金業者が制限超過部分の受領につき貸金業法43条1項の適用があるとの認識を有することに平成19年判決の判示する特段の事情があるということはできず,当該貸金業者は,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者,すなわち民法704条の『悪意の受益者』であると推定されるものというべきである。
(2) これを本件についてみると,前記事実関係によれば,本件各取引において17条書面として上告人に交付された各書面には,平成16年9月までは,次回の最低返済額とその返済期日の記載があったにとどまり,確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載がなかったというのであるから,被上告人又はAにおいて平成19年判決の判示する特段の事情があるということはできず,被上告人及びAは,この時期までに本件各取引から発生した過払金の取得につき悪意の受益者であると推定されるものというべきであり,この推定を覆すべき事情は見当たらない。
そして,同年10月以降は,本件各取引において17条書面として上告人に交付された各書面に確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載がされるようになったが,それより前から本件各取引は継続して過払の状態となり貸金債務は存在していなかったというのであるから,同月以降は,利息が発生する余地はなく,この時期にされた制限超過部分の支払につき貸金業法43条1項を適用してこれを有効な利息の支払とみなすことができないことは明らかである。そうすると,本件各取引につき,同月以降,17条書面として交付された書面に上記の記載があったとしても,被上告人がそれまでに発生した過払金の取得につき悪意の受益者である以上,この時期に発生した過払金の取得についても悪意の受益者であることを否定することはできない。
よって,被上告人は,本件各取引における過払金の取得について民法704条の「悪意の受益者」であるというべきである。
5 以上によれば,被上告人は悪意の受益者であると認めることができないとした原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。」(下線は,原告が付したものである。)

従って,被告は,長々と独自の見解を展開するが,この最高裁判決を無視するものであり,その主張に理由がないことは,明らかである。



この準備書面準備書面提出の後,CFJは,原告の請求どおりの和解案を提示しました。
勿論,損害利息,訴訟費用も入れたものでした。和解後,3日以内に代理人の預り金口座に振込がありました。

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ワンポイント判例
不当利得として特定物を受け取った者が占有をすでに他に移転した場合は、これを同人が取り戻すことの可能なときに限り、原物返還の義務を負う。(大判昭16・10・25民集20-1313)

   

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